コンパクトサイズの御船蔵の平屋をオール・リフォーム

 坂はあるけれど(車が入らないところも多い)、長崎駅までは歩いて行ける御船蔵町。坂のおかげ?で立地の割には比較的安価な中古物件が手に入る場所です。御船蔵町はその名のとおり、昔、船倉があったとされる場所。現在の電車通りは浦上駅付近まで海だったところが埋め立てられてできた土地なので、昔の御船蔵町は長崎港から続く入江の海岸線にあって、船倉には良い場所だったのでしょう。

 今回はそんな御船蔵町にある平屋をリフォームしました。沖縄っぽいブロック塀と平屋のコンパクトな佇まいがたまらなくいいです。家の前には小さな水路が通っていて、コンクリートの橋がかかっています。水路と並行している前面の道は、車道ではないのですが人が行き来するため、物干しとして利用できそうな軒下の一部を隠す目的で、目隠しのブロックと木製フェンスを新しく造作しました。

 室内外はともにだいぶ老朽化していましたが、家の外装は玄関ドアを除いてほぼそのまま再利用し、外壁は見た目の美しさと木材の保護を兼ねて塗装を施しました。室内は2Kだった間取りを1LDKに変更し、水回りを含めて全面改装。キッチンや浴室・トイレなどは位置を変えずに元あった場所で設備を新品に交換するだけにとどめることでコストを抑えました。

 改装後の間取りの特徴として、狭い空間で取捨選択するにあたり、今回はリビングルームをつくることに振り切っています。そのしわ寄せとしてベッドルームはわずかに4帖しかありません。ベッドルームには掃き出しの小さな窓が付いていて、この窓からは稲佐山を眺めることができます。また、玄関も動線に変更を加え、来客の際ドアを開けたときに部屋のなかが見えないように工夫しました。

Before

元は和室の続き間。玄関側の4.5帖をダイニングルームとする、元の間取りのままリフォームすることもできましたが・・・

After

今回はリビングルームを広くつくりました。図面で見ると、玄関から部屋が見えないように工夫されたのがわかります。

御船蔵の平屋

エリア|長崎市御船蔵町
設計・施工|ABC不動産
プランニング|江川 典宏
デザイン|辻郷 麻理
施工時の築年数|46年

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