一戸建てのキッチンを大胆に2階に移動! 1階には小さな書斎をつくりました

 民謡・長崎七不思議の一つ「北にあるのを西山と~♪」は、長崎駅や浜町などの中心地から見ると北東にあるのになぜか西山という地名の不思議を歌ったもの。謎の真相は、当時の中心地が現在の夫婦川(新大工町の北側)にあったから。夫婦川から見ると西山はその名のとおり西側の山、というわけです。

 今回はそんな西山の一戸建てをリノベーションしました。二階建ての本物件は、元々一階にダイニングキッチンがありました。同じ一階の和室が居間として使われていたのですが、キッチンと居間は玄関ホールや浴室などの水回りで隔たれていました。キッチンはどの部屋とも接点がなく完全に孤立していて、現代のオープン・キッチン(家族と接しながら家事ができる)とは異なり、古風な「家事室」といった感じです。これを現代のスタイルに合った間取に改善するために、今回のプランの大きなポイントの一つは、キッチンとリビングルームが隣接するスペースをつくること、となりました。

 現状はキッチンの横に玄関があるのでどうやってもリビングルームとは繋がりません。そこで、思い切ってキッチンは二階に移動しました。二階ならキッチンの横にリビングルームを繋げることができます。結果として、キッチンが最も日当たりの良い場所に引っ越すことになったため、ダイニングには少し大きめのテーブルをつくって家族が集うことができるカフェにしました。

 一階にはベッドルームとその隣に小さな書斎スペースをつくりました。書斎スペースは昨今の働き方の変化に対応した人気のリノベーション・テーマです。仕事以外の用途としても、読書、音楽、ゲーム、動画撮影など、趣味に合わせて壁や家具などのインテリアをカスタマイズしても楽しいですね。

Before

1階には居間として使われていた和室とキッチンがあり、これらは玄関スペースによって分けられ、それぞれ独立していました。

After

キッチンを2階に配置しなおすことによって、リビングルームとつなげることができました。流し台の横には木製のテーブルを取り付け、カフェのような雰囲気に。1階は二つのベッドルームを配し、書斎を設けました。図面では「Family Closet」という名称になっていますが、その名前のとおり、大容量の収納として使うこともできます。図面には記載がないのですが、2階のベランダの下にはウッドデッキの「縁側」があります。

書斎のある西山の家

エリア|長崎市西山三丁目
設計・施工|ABC不動産
プランニング|江川 典宏
デザイン|辻郷 麻理
施工時の築年数|36年

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