眼鏡橋を見下ろすマンション

 長崎の観光名所としても有名な「眼鏡橋」。現存するアーチ型の石橋では国内最古の橋で、国指定重要文化財に指定されています。1634年に黙子如定禅師によって、興福寺の参道として架設されました。この橋を渡ってまっすぐに歩くと寺町通りに突き当たり、その通り沿いに興福寺はあります。毎年、春になると橋のたもとではチリンチリンアイスの屋台もやってきます。長崎らしい風情が残ったとても素敵なところです。写真はちょうど旧正月を祝う「長崎ランタンフェスティバル」でランタンが中島川を彩っている。

 そんな眼鏡橋のたもとに1978年に竣工した分譲マンションがあります。2022年の暮れに、この一室が売りに出ました。この時点で築44年経っていたので、リノベーションプランをつくって広告したところ、その年のうちに売れました。元々は和室続き間の2DKでしたが、プランではこれを1LDK+ウォークインクローゼットに変更。あえて色にばらつきのあるアカシアの無垢材を使って、床に特徴をつくりました。購入いただいたお客様から「カフェみたいで好き」と好評をいただいたキッチンは、天板に無垢材を使用し、壁にはつやのあるブルータイルを合わせました。それに加えてオリジナルで造作したキッチンカウンターと大きめのペンダントライトが特徴的。元々のプランでは、天井の板を解体した「抜き天井」や、壁には棚の造作もあったけれど、「できるだけシンプルに」というお客様のご要望でカットしました。そのほかはおおむねプラン通りの施工となりました。ABC不動産リノベーション研究所のリノベーションはフルオーダーももちろん可能ですが、今回のように、元になるプランがあって、そこに変更を加えていくセミオーダースタイルのほうがイメージが湧きやすいかもしれません。

Before

昔はよくあった和室の続き間。奥の部屋に行くには、必ず中央の部屋を通過しなければならないので独立性はありません。さらに、本物件の場合は角部屋なのでまだ良いのですが、中部屋の場合には窓がなく採光が取れないので、とても暗いことが多い。

After

和室の続き間をリノベーションする場合は、和室6帖×2をつなげて12帖の洋室をつくり1DKとするか、本物件のようにダイニングキッチンと和室×1をつなげて1LDKとするか。あえて2DKのまま残して襖や引き戸の代わりにシーチングカーテンなどで仕切ってみたり、キッチンとリビングを壁でわけてとにかく広い1Kをつくることも可能です。

眼鏡橋を見下ろすマンション

エリア|長崎市魚の町
設計・施工|ABC不動産
プランニング|末吉 皓美
デザイン|辻郷 麻理
施工時の築年数|45年

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