大橋の1Kマンションのキッチン周りのユニットをベニヤ板で個性的にリノベーション

 市内中心部から国道206号線を住吉方面に向かう途中、長崎バイパス(昭和町)方面に分岐するY字路があります。このあたり一帯は大橋という町で、路面電車でいうと岩屋橋電停があって、周辺には長崎大学文教キャンパスがあるエリア。旧大橋球場(現在のビッグNスタジアム)や大橋電停、大橋バス停など、「大橋」を冠するスポットは実は大橋町にはなく、隣の松山町にあるので紛らわしい。大橋町と松山町の町境には浦上川が流れていて、そこに架かっているのが「大橋」と呼ばれる橋で、たぶん、それが町名の由来でしょう。実際には、下流にある梁川橋や稲佐橋、旭大橋のように大きな橋ではないけれど。

 今回はそんな大橋町にある築43年の単身用マンションをリノベーションしました。限られたスペースで「らしさ」を出すのは難しいが、デザイナーいわく「キッチン全体を家具のようにしたかった」というとおり、キッチン本体と冷蔵庫スペース、収納スペース、洗濯機置場をブロック型につくって個性を出しています。狭小スペースにつき、縦の空間もうまく使っているように思います。

 素材にはベニヤ板を使い、あえて粗い裏面を表側にすることで無骨さを出した。裏面にはJASのスタンプも押されていて、それも無骨さの演出のひとつになっています。キッチン本体には、集成材とラミネート加工されたワークトップを使用。汚れが簡単に拭き取れることと、防水性も考慮されています。

 キッチンだけでなくベッドルームも合わせてリフォームしました。床に使われている木のフローリングに「見える」フロアタイル(塩ビ)は、言われなければ本物の木製フローリングにしか見えない(実際に触ってみるとやや質感が違うけれど)。個人的にフロアタイルはあまり好きではないのですが、このタイルだけは気に入っています。メリットはずばりコスト減です(材料費だけでなく工賃も安くなる)。部分張り替えも可能なのでメンテナンスが容易なのもメリットのひとつ。壁はグレーの壁紙で統一されており、効果として、白と比較すると部屋全体のコントラストが抑えられて落ち着いた雰囲気になっています。

Before

元は単身用としては少し大きめの公団キッチン。浴室とトイレは一体型で現在はあまり人気がない設備となっています。

After

間取図からはキッチンの魅力が伝わりにくいですが、無骨なブロック型の個性的なデザインに仕上がりました。狭いスペースに、キッチン、収納、冷蔵庫置場、洗濯機置場、浴室、トイレ+洗面台兼脱衣室がうまく配置されています。よくこれだけ入ったものだと思う。

大橋のブロック型キッチンユニット・マンション

エリア|長崎市大橋町
設計・施工|ABC不動産
プランニング|永田 清孝
デザイン|辻郷 麻理
施工時の築年数|43年

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