浦上教会（旧称：浦上天主堂）にほど近い平和町商店街の一角に建つマンションをリノベーションしました。

　元の部屋はベランダがないことが欠点でしたが、それに代わるサンルームをつくることでベランダのような機能性を持たせました。旅館によくある「広縁（ひろえん）」という窓際のスペースでは、椅子でくつろいだり、タオルを干したりしますよね。サンルームもこれに似たスペース。

　具体的には、窓際から半間（約90cm）ほどのところに壁を造作しました。その内側の天井に取り付けたハンガーパイプには、洗濯物を干したり、植物を下げたりすることができます。椅子や小さなテーブルを置いてリラックススペースとしてもいいですね。造作壁には、リビングルームへの採光と換気を目的とした室内窓を取り付けました。機能性だけでなく、見た目にも部屋のアクセントに。

　キッチンにはカウンターを設けて、作業効率を上げることと、そこで食事もできるようにしました。調理スペースのない小型のキッチンは、今回のように、無理に対面式にするよりは、壁付けにして、その対面や側面にテーブルを付けると使いやすくなります。

　今回のリノベーションでは、サンルームが部屋を特徴づけるポイントになりました。欠点とは、特徴でもあるので、欠点をそのまま活かしたり、あるいは改善した結果がプラスに転じることはリノベーションではよくあります。

平和町のサンルームのあるマンション

エリア｜長崎市平和町
設計・施工｜ABC不動産
プランニング｜江川 典宏
デザイン｜辻郷 麻理
施工時の築年数｜36年

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